HSRP 基礎編:(8) HSRP ルーターのステート

HSRP という一つのシステムを維持するため、スタンバイ・グループに参加するルーターは、適切なステート(状態)を維持し、他のルーターから受信するメッセージを監視することで、自身の採るべき挙動を決定します。
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完全な表はこちらを参照してください。


アクティブ・ルーター、スタンバイ・ルーターがスタンバイ・グループ内に存在し、端末に対してデフォルト・ゲートウェイのサービスを提供しているとき、HSRP が動作しているルーターは、次の四種類のステートのいずれかの状態にあります。

Initial(イニシャル):

インターフェイスがダウンしているときは、常にInitial ステートに留まります。
インターフェイスがアップした直後もInitial ステートとなりますが、すぐにListen ステートへ遷移します。


Listen(リスン):

ルーターがActiveでもStandby ステートでもない状態です。
ルータが3台以上ある場合、アクティブ、スタンバイ・ルーターのいずれにもならないパッシブ・ルータは、Listen ステートに留まります。
新たにインターフェイスがアップすると、スタンバイ・タイマー、アクティブ・タイマーが満了するか、他のルーターからのHello メッセージを受信するまで、Listen ステートに留まります。


Standby(スタンバイ):

ルーターがスタンバイ・ルーターとなっていることを意味します。
アクティブ・ルーターから最後にHello メッセージを受信してから、Hold Time の秒数が経過してアクティブ・タイマーが満了すると、Active ステートへ遷移します。


Active(アクティブ):

ルーターがアクティブ・ルーターとなっていることを意味します。
アクティブ・ルーターは、バーチャルMAC アドレス宛のパケットをルーティングするとともに、バーチャルIP アドレス宛のパケット(バーチャル・ルーター宛のパケット)も処理します。



対して、ルーターが稼働し始めてからスタンバイ・グループに参加し、自身の採るべき挙動が定まるまでの一過性の状態には、次の二種類のステートがあります。ルーターが正しく設定され、正常に動作している限り、これら二種類のステートにとどまり続けることはありません。


Speak(スピーク):

ルーターが、アクティブまたはスタンバイ・ルーターの選出プロセスに入っている状態です。
スタンバイ・タイマーが満了するとStandby ステートへ遷移します。


Learn(ラーン):

ルーターにバーチャルIP アドレスが設定されておらず、他のルーターのメッセージからバーチャルIP アドレスを学習しようとしている状態です。

通常、バーチャルIP アドレスはスタンバイ・グループに所属するすべてのルーターに設定します。
しかし、最低限一台のルーターにバーチャルIP アドレスを設定してやれば、受信したHello メッセージからバーチャルIP アドレスを学習することもできます(スタンバイ・グループ番号は設定して張る必要があります)。
一度学習したバーチャルIP アドレスは、インターフェイスがダウンしても保持しつづけ、インターフェイスが再度アップすると、そのバーチャルIP アドレスを使用します。
学習したバーチャルIP アドレスはNVRAM に書き込まれないため、ルータが再起動すると失われます。

Hello メッセージからバーチャルIP アドレスを学習すると、HSRP ステートは、Learn からListen へ移行します。