HSRP 応用編:(7) HSRP バージョン2 (1)

これまで見てきたHSRP のバージョンは1 でした。

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今回以降の3回で、 IOS バージョン12.3(4)T からサポートされるようになったHSRP バージョン2 を見ていきます。

HSRP バージョン1 と2 の間に、プロトコルのステート・マシン(状態遷移)に関する大きな違いはありません。

HSRP バージョン1 でサポートされていたHSRP の各種機能は、HSRP バージョン2 でも同様に利用できます。

HSRPP バージョン2 の大きな変更点は以下の4点です。


    1. スタンバイ・グループ番号の拡張
    2. バーチャルMAC アドレスの変更
    3. メッセージの宛先アドレスの変更
    4. IPv6 のサポート



1. スタンバイ・グループ番号の拡張

HSRP バージョン1 で設定可能なスタンバイ・グループ番号は、1 から255 までの256 個でした。

HSRP バージョン2 では、0 から4095 までの4096 個に拡張されています。

この拡張は、Encapsulation(カプセル化)方式をDot1Q (IEEE 802.1Q 方式)やISL (Inter Switch Link 方式) に設定したサブ・インターフェイス上にスタンバイ・グループを設定する場合に、VLAN ID とスタンバイ・グループ番号を一致させることで管理を用意にすることを目的としています。


2. バーチャルMAC アドレスの変更

HSRP バージョン1 では、デフォルトのバーチャルMAC アドレスに00-00-0c-07-ac-xx が使われていました。

HSRP バージョン2 では00-00-0c-9f-fx-xx に変更されています。


3. メッセージの宛先アドレスの変更

HSRP バージョン1では、Hello などHSRP メッセージの宛先IP アドレスに"All Routers on this Subnet(サブネット上のすべてのルーター)" を意味する224.0.0.2 が使われていました。

HSRP version 2では、HSRP 用にIANA(Internet Assigned Numbers Authority)から割り当てられた224.0.0.102 に変更されています。

この変更は、CGMP(Cisco Group Management Protocol)など他のプロトコルとの競合を回避するための措置です。


4. IPv6 のサポート

HSRP バージョン1 では、IPv4 しかサポートしていませんでした。
HSRP バージョン2 では、IPv6 をサポートするためにパケットのフォーマットが変わりました。